食事介助では、利用者が安全に気持ちよく食事をとれるように、介護職が心がけなくてはなりません。また、利用者の食事のとり方や食べ残しなどの状況を観察し、体調変化を見逃さないようにすることも大事です。食事をとる場所としては、施設の食堂や自宅などで、車いすやいすに座って、あるいはベッドの上でなど、さまざまではありますが、利用者にとって食事は楽しみの一つであるため、満足いく時間が過ごせるように態度や表情、言葉かけなどで食が進むような雰囲気づくりが必要です。
食事介助が必要な人の食事は、一般的に時間がかかります。それを急がせたり、次々に口へ運ぶようでは、せっかくの楽しい時間を台無しにすることもあるので注意が必要です。また、食事の間、同じ姿勢を取り続けるため、途中で疲れてしまうこともあります。高齢になると背中の筋力などが低下して、座っていても体が傾いてしまったり、ずり落ちたりすることはよくあります。そうすると、食べる意欲が失われることもあるので、注意深く見守ることが必要です。食べ始めから、こまめに観察を行い、体の位置を変えるよう促したりすることも大事です。
そして、食事前に排泄をすませる心配りも必要です。トイレへの誘導やおむつ交換、尿器介助などをします。居室では排泄物は速やかに片づけ、臭気を除くように換気する必要もあります。ポータブルトイレや尿器は、目立たない場所に片づけることも大切です。また、食事介助をするときは、まず汁物で口を潤すようにするのがポイントです。自力で食べる場合にも、汁物から口にするよう声かけをするようにしましょう。